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ドローン点検とは?導入メリット・デメリットや費用を解説

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ドローン点検の基礎知識から導入メリット・デメリット、活用事例、費用相場まで徹底解説。

インフラ老朽化と人材不足の課題解決に注目されるドローン点検について、わかりやすく紹介します。

こうしたドローンを“仕事”に変える実践的な情報を共有しているのが、ドローンビジネスコミュニティ 「ドロビジ」 です。

点検業務に興味がある方、案件獲得で悩んでいる方は、一度、詳細をご確認ください

ドローン点検とは?

ドローン点検とは、カメラやセンサーを搭載した無人航空機を活用して、建物や設備、インフラ施設の点検作業を行う革新的な手法です。

従来の点検方法では作業員が高所や危険な場所へ直接赴く必要がありましたが、ドローンを遠隔操作することで、人が立ち入ることが困難な場所でも安全に点検を実施できます。

高解像度カメラや赤外線カメラを搭載したドローンは、構造物の劣化状況や損傷箇所を詳細に記録し、AI画像解析技術と組み合わせることで、目視では発見しにくい微細な異常も検知できます。

国土交通省の調査によると、建設後50年以上経過するインフラ施設の割合が今後10年で大幅に増加すると予測されており、効率的かつ安全な点検手法としてドローン点検への期待が高まっています。

人材不足

日本の建設業界では深刻な人材不足が課題となっています。

国土交通省の統計によれば、建設業就業者数は1997年のピーク時から約170万人減少し、特に29歳以下の若年労働者は全体の約12%にとどまっています。

点検業務においても、ベテラン技術者の高齢化と若手不足により、十分な点検体制の維持が困難です。

ドローン点検の導入により、従来は複数の作業員と補助スタッフが必要だった作業を、少数の操縦者で実施できます。

インフラの老朽化

高度経済成長期に整備されたインフラ施設が建設後50年以上を経過し、経年劣化による老朽化が深刻化しています。

適切な維持管理と計画的な更新が喫緊の課題ですが、点検対象施設の数は膨大で、従来の点検手法では時間とコストの両面で限界があります。

ドローン点検は、この老朽化インフラの効率的な維持管理を実現する有力手段です。

高解像度カメラや赤外線サーモグラフィーを活用し、コンクリートのひび割れや剥離、鋼材の腐食、タイルの浮きなど様々な劣化現象を精密に検出できます。

さらにAI技術で劣化の進行速度を予測し、最適な補修時期を判断することも可能です。

ドローン点検のメリット

ドローン点検には、従来の点検手法と比較して多くのメリットがあります。

ここでは特に重要な3つの観点、「安全性」「効率性」「コスト面」について詳しく解説します。

安全性

ドローン点検の最も重要なメリットは、作業員の安全性を飛躍的に向上させることです。

従来の点検作業では高所での作業が避けられず、作業員は常に転落の危険にさらされていました。

ドローンを使用すれば、操縦者は地上の安全な場所からモニター画面を通じて点検対象を確認でき、転落事故のリスクをほぼゼロにできます。

急斜面や崩落の危険がある場所、有毒ガスが発生する密閉空間、放射線量の高いエリアなど、人が立ち入ること自体が極めて危険な環境でも、ドローンであれば安全に点検を実施できます。

作業員の安全確保は企業の社会的責任であり、ドローン点検の導入は労働安全衛生の観点からも極めて重要です。

効率性

ドローンは空中を自由に移動できるため、複雑な形状の構造物でも多角的な視点から効率的に撮影が可能です。

あらかじめ飛行ルートをプログラミングしておけば、自動飛行による点検も実現でき、毎回同じ位置から撮影することで経年変化の比較も容易になります。

工場やプラント設備の点検では、施設の稼働停止時間を短縮でき、生産性の低下を最小限に抑えられます。

道路や鉄道では、利用者への影響を最小限にとどめながら点検を実施でき、社会的なコストの削減にもつながります。

コスト面

ドローン点検は点検業務にかかる総コストを大幅に削減できます。

橋梁点検車や高所作業車などの特殊車両のレンタル費用、足場の設置・撤去費用が不要になります。

また、作業時間の短縮により人件費を圧縮でき、交通規制や施設の稼働停止に伴う間接的なコストも削減できます。

初期投資としてドローン機材の購入や操縦者の育成費用は必要ですが、中長期的に見れば点検業務全体のコストパフォーマンスは大きく向上します。

ドローン点検のデメリット

多くのメリットがあるドローン点検ですが、一方でいくつかのデメリットや課題も存在します。

導入を検討する際は、これらの制約事項を十分に理解しておく必要があります。

操縦技術の重要性

点検業務では構造物に接近した飛行や狭い空間での精密操作が求められます。

特に、GPS信号が届きにくい環境や風の乱気流が発生しやすい場所では熟練した技術が必要です。

操縦ミスによる機体の構造物への接触は、ドローンの破損だけでなく、墜落による人身事故のリスクもあります。

2022年12月からは国家資格「無人航空機操縦者技能証明」制度が開始され、一等資格と二等資格で操縦者の技能が公的に証明されるようになりました。

組織として導入する際は、操縦者の育成計画と継続的な訓練体制の整備が重要です。

事故・トラブルの可能性

ドローンは精密な電子機器であり、様々な技術的トラブルが発生する可能性があります。

都市部や人口密集地での飛行では、墜落事故が重大な結果を招く恐れがあります。

これらのリスクに対処するため、適切な保険への加入と組織的なリスク管理体制の構築が不可欠です。

法律や外部環境による影響

ドローンの飛行は航空法をはじめとする様々な法規制の対象です。

許可・承認申請には申請書類の作成、飛行マニュアルの整備、操縦者の技能証明などが必要で、準備に相当な時間と労力を要します。

また、ドローンは気象条件に大きく左右されます。

一般的に風速5m/s以上では飛行が困難になり、降雨時は機体の故障リスクが高まるため飛行を避けるべきです。

さらに、視覚情報による判断が中心となるため、打診調査のような内部異常の検知はできず、別途詳細調査が必要となります。

ドローン点検の活用事例

ドローン点検は様々な分野で実用化が進んでいます。ここでは代表的な活用事例を紹介します。

工場・プラント

石油化学プラントや製鉄所では、高さ数十メートルに及ぶ設備が複雑に配置され、定期的な点検が不可欠です。

従来は足場の設置や施設の稼働停止が必要でしたが、ドローン点検により生産を停止せずに点検を実施できます。

赤外線カメラ搭載ドローンで配管の温度分布を可視化し、断熱材の劣化や内部流体の異常を検知することも可能です。

超小型ドローン「IBIS」シリーズは、直径数十センチメートルの小型機体で、人が入れない密閉タンク内部の点検にも活用されています。大手化学メーカーでは年間数千万円の点検コスト削減に成功しています。

ビル・商業施設

2020年の建築基準法改正により、赤外線装置を搭載したドローンによる外壁調査が、一定条件下で打診調査の代替手段として認められました。

東京都内の築30年オフィスビル(20階建て)では、従来の全面打診調査に約3,000万円かかっていたものが、ドローン点検では約300万円で実施でき、コストを10分の1に削減できました。

大型商業施設では、屋根や太陽光パネルの点検にもドローンが活用され、雨漏りや発電効率低下を早期に発見しています。

発電所・被災地

太陽光発電所では、数万枚のパネルの中から異常箇所を短時間で検出できます。

従来は数日かかっていた大規模発電所の点検が、ドローンでは数時間で完了し、点検コストも大幅削減されています。

災害発生時には、地震や台風後の被災状況を迅速に調査し、救助活動の優先順位判断に貢献しています。

火山観測では、可視カメラと赤外線カメラで火口の状態や噴気温度を把握し、噴火予測の精度向上に役立っています。

ドローン点検の費用

ドローン点検を実施する方法には、自社で機材を揃えて実施する方法と、専門業者に外注する方法があります。

それぞれの費用について解説します。

自社で点検する場合

  • 機体購入費
  • 操縦者育成費
  • メンテナンス費
  • ドローン保険加入 など

外注で点検する場合

  • 初期投資が不要
  • 点検頻度が少ない場合有効
  • 外注費は点検対象と規模によって大きく異なる
    • 家屋やマンションの目視点検なら1〜5万円程度
    • 赤外線調査の場合、技術と時間を要するため20〜70万円程度

ドローン国家資格

ドローンを飛行させるために国家資格の取得は法律上必須ではありません。しかし、資格を取得することで航空法やドローンに関する正しい知識を体系的に身につけ、安全な飛行を実現できます。

2022年12月から開始された国家資格制度により、ドローン操縦者の技能が公的に証明されるようになりました。

資格取得には登録講習機関での学科・実技講習を受講し、指定試験機関の試験に合格する必要があります。

学科では航空法規、気象知識、飛行計画、リスク管理などを学び、実技では基本操作から緊急時対応まで実践的に訓練します。

ドローン国家資格の取得を目指すなら、「ドローン塾」がおすすめです。

ドローン塾は国土交通省の登録講習機関として認定されており、一等・二等無人航空機操縦士の資格取得をサポートしています。

経験豊富なインストラクターによる丁寧な指導と充実したカリキュラムで、初心者でも安心して学ぶことができます。


まとめ

ドローン点検は、人材不足やインフラ老朽化という社会課題の解決策として、急速に普及が進んでいる革新的な技術です。

作業員の安全性向上、点検効率の大幅な改善、コスト削減という3つの大きなメリットにより、建設業界、プラント業界、不動産管理業界など、幅広い分野で活用が拡大しています。

一方で、操縦技術の習得、法規制への対応、天候による制約などのデメリットも存在します。

また、触診や打診ができないため、従来の点検手法と組み合わせて使用することが効果的です。

導入を検討する際は、自社の点検頻度や規模、予算などを総合的に考慮して、自社導入か外注かを判断することが重要です。

国家資格制度の整備や技術の進歩により、ドローン点検の信頼性と安全性はさらに向上していくと予想されます。

AIによる画像解析技術の発展により、点検作業の自動化・高度化も進んでいます。

今後、ドローン点検は点検業務の標準的な手法となり、安全で効率的な社会インフラの維持管理に不可欠な技術となっていくでしょう。