安全書類とは?ドローン事業者が建設現場で必要な書類を徹底解説!
現場に入るときの安全書類とは?

建設現場にドローン事業者として入場する際、安全書類の提出は避けて通れない重要な手続きです。
安全書類とは、建設業界において労働安全衛生管理を適切に行うために必要不可欠な書類群で、これらをまとめて保管したものを一般に「グリーンファイル」と呼びます。
安全書類が果たす3つの役割
1. 法令遵守の証明
建設業法や労働安全衛生法に基づき、適正な施工体制を証明します。
2.現場の安全確保
作業員の命を守り、事故を未然に防ぐための具体的な仕組みを提供します。
3.責任の所在の明確化
万が一事故が発生した際、誰がどのような責任を持つかを明確にします。
ドローン事業者の場合、一般的な安全書類に加えて、ドローン飛行に特化した書類も必要となるため、事前の準備が欠かせません。
現場によって求められる書類の種類や内容は異なりますが、基本的な安全書類と飛行関連書類の両方を理解しておくことで、スムーズな入場手続きが可能になります。
こうしたドローンを“仕事”に変える実践的な情報を共有しているのが、ドローンビジネスコミュニティ 「ドロビジ」 です。
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安全書類の基本情報一覧
安全書類について、最初に押さえておくべき基本情報を項目別に整理しました。
| 項目 | 詳細内容 |
| 書類の種類 | 現在20~30種類程度存在するが、すべてが常に必要なわけではない。 工事の規模や契約形態によって提出すべき書類が異なる。 |
| 作成者 | 下請会社と元請会社がそれぞれ必要な書類を作成。 社内での担当者に決まりはなく、営業・事務員・現場監督など企業により異なる。 |
| フォーマット | 全建統一様式:一般社団法人全国建設業協会が定める標準様式。 ※書式に迷った際はこれを使用するのが安全 元請指定様式:元請会社が独自のフォーマットを指定する場合もある。 |
| 提出先 | ・1次請け → 元請へ ・2次請け → 1次請けへ ・3次請け → 2次請けへ ※契約関係に応じて提出先が変わる |
| 提出タイミング | ・作業開始前:施工体制台帳、作業員名簿など ・教育実施後:新規入場者教育実施報告書 ・定期的:安全ミーティング報告書 ・都度:工事内容や作業者の変更時は更新が必要 |
| 保存期間 | ・一般的な書類:完工後5年間 ・施工体系図:完工後10年間 ・賃金台帳:5年間(当面3年間) ※工事の性質や発注者の要求で変わる場合あり |
安全書類を作成する理由
「なぜこんなに手間をかけて安全書類を作成しなければいけないのか?」
その答えは、作業員の命を守り、現場の安全を確保するためです。
法律で定められた4つの義務
安全書類は、以下の法的義務を「現場で実現するためのツール」として機能しています。
| 義務の内容 | 法令 |
| 労働災害防止管理の義務 建設業者は労働災害を防止するための管理体制を構築する | 建設業法・労働安全衛生法 |
| 元請・下請双方の安全対策義務 元請負人と下請負人の両方が労働災害防止対策に取り組む | 労働安全衛生法 |
| 安全教育の実施義務 建設業者は従業員に対して適切な安全教育を行う | 労働安全衛生法 |
| 管理者の選任義務 事業場の規模に応じて安全管理者・衛生管理者・産業医を選任する | 労働安全衛生法 |
安全書類が守る3つのもの
1. 作業員の命
危険作業の事前把握、資格確認、健康状態の管理により事故を防止
2. 会社の信頼
適切な書類管理により、法令遵守と社会的責任を証明
3. 円滑な業務遂行
責任の所在が明確なため、トラブル時の対応がスムーズ
安全書類の種類
建設現場で必要となる安全書類は、大きく3つのカテゴリーに分類されます。
安全書類の3大分類
| 分類 | 内容 |
| ①労務安全関係書類 | 現場作業員の危険作業や使用工具の管理に関する書類 |
| ②施工体制台帳関係書類 | 工事を担当する会社の構成を管理し、責任を明確にする書類 |
| ③その他の書類 | 現場の特性や状況に応じて求められる書類 |
ドローン事業者の場合、これらに加えてドローン飛行に特化した書類の準備も求められます。
それでは、ドローン事業者が必要な場合が多い書類を見ていきましょう。
作業報告書

作業報告書は、ドローン事業者が建設現場で実施した作業内容を正式に記録し、元請会社へ報告するための重要書類です。
記載する主な内容
- 作業日
- 現場名
- 担当者名
- 飛行時刻
- 使用機体
- 天候・風速など
日々の作業実績、使用機材、安全確認事項、撮影データの管理状況を一元的に記録することで、作業の透明性を高め、責任の所在を明確化します。
新規入場時等教育実施報告書
新たに建設現場に入場する作業員に対して実施される安全教育の内容と実施状況を記録する書類です。
教育内容(一般的な項目)
- 現場のルールと危険箇所
- 退避方法と避難経路
- 指揮命令系統
- 作業相互の関係
- 安全装備の着用方法
記載する主な内容
- 教育を受けた参加者名
- 教育実施日
- 教育内容の詳細
- 教育担当者の署名
新規入場アンケート
現場に入る作業員の緊急時連絡先の把握や健康状態の確認のために提出する調査票です。
記載する主な内容
- 氏名、生年月日、住所
- 緊急連絡先(家族など)
- 現在の健康状態
- 既往歴(持病の有無)
- 過去の労働災害経験
- 安全教育の受講歴
危険予知活動シート兼協力会社作業日報

危険・予知活動を記録するための用紙で、作業前に現場の潜在的な危険を洗い出し、事故を未然に防ぐための重要なツールです。
ドローンでの作業には第三者の立入管理措置や突風、電波障害など特有の危険要因を想定する必要もあります。
KY活動の「4ラウンド法」
| ラウンド | 内容 | 具体的な作業 |
| 第1ラウンド | 現状把握 | 「どんな危険が潜んでいるか?」を全員で洗い出す |
| 第2ラウンド | 本質追究 | 「これが危険のポイントだ!」と重要な危険を絞り込む |
| 第3ラウンド | 対策樹立 | 「あなたならどうする?」と具体的な対策を考える |
| 第4ラウンド | 目標設定 | 「私たちはこうする!」と行動目標を決定する |
安全書類の記載ルールと作成手順
安全書類の作成は、正確さが求められる業務です。
よくある不備の例として、資格の期限切れや保険証券の名義違い、記載内容と添付書類の不一致などがあります。
ここでは、記入漏れや不備を防ぎ、効率的に作成・提出するための実践的な方法を解説します。
記入漏れ・不備を防ぐための3つの基本原則
安全書類の不備は、書類の差し戻しや入場制限を招くだけでなく、現場全体のコンプライアンスリスクとなります。
【原則①】最新情報の維持
特に重要:社会保険
2020年の建設業法改正により、適切な保険への加入が現場入場の事実上の要件となっています。
各保険の加入状況について、最新の証明書類に基づき正しく記載してください。
【原則②】エビデンス(写し)の添付
ドローン事業者の必須添付書類
- 技能証明書(無人航空機操縦士)のコピー
- 機体登録証明書のコピー
- 機体保険証券のコピー
- 飛行許可承認書のコピー
【原則③】有効期限の厳格管理
期限切れの資格や証明書は無効となり、書類の差し戻しや作業の中止につながります。
提出期限について
| 書類の種類 | 提出期限 |
| 施工体制台帳 | 工事着手前 |
| 作業員名簿 | 現場入場前 |
| 新規入場者教育実施報告書 | 教育実施後速やかに |
| 飛行許可承認書 | 飛行日の前日まで |
| 飛行計画書 | 飛行前 |
⚠️ 重要な注意点
提出が遅れると現場への入場が遅れ、工程に影響を与える可能性があるため、余裕を持った準備とスケジュール管理が不可欠です。
電子化(DX)による効率化
近年、建設業界のDX化に伴い、安全書類の管理をクラウドで行うケースが増えています。
ドローンに関する必要書類

ここからは、ドローン事業者に特化した必要書類を詳しく解説します。
一般的な安全書類に加えて、これらの書類を適切に準備することが、建設現場でのスムーズな飛行作業につながります。
飛行許可承認書
航空法に基づいて国土交通省から発行される公式な許可書で、ドローンを合法的に飛行させるために必須の書類です。
建設現場の多くは以下の条件に該当するため、ほとんどの場合で飛行許可承認が必要になります。
・夜間飛行
・人口集中地区(DID地区)での飛行
・目視外飛行
・人または物件から30m未満での飛行
包括申請のススメ
建設業でのドローン活用では、包括申請を取得しておくことが一般的です。
※航空法上の許可承認があっても、元請会社や施設管理者のルールにより飛行が制限される場合があります。
事前に現場関係者とも綿密に打ち合わせが必要です。
飛行計画書
具体的な飛行日時、飛行場所、飛行経路、安全対策などを記載した計画書で、飛行前に関係者と共有するための書類です。
航空法により、DIPS2.0で飛行計画を作成し、飛行前に通報することが義務付けられています。
立入管理計画(立入禁止区画・監視体制)
ドローン飛行中に第三者が飛行エリアに侵入しないようにするための具体的な措置を記載した計画書です。
航空法では、特定飛行を行う際に立入管理措置を講じることが求められており、建設現場でのドローン飛行では特に重要な安全対策となります。
持込機械等使用届・車両登録
建設現場にドローンなどの機械を持ち込む際に提出する届出書です。
飛行前点検のチェックリストや定期的な整備記録のコピーを添付することで、機体が安全な状態であることを証明します。
条件によって必要になる書類

すべての現場で必須というわけではありませんが、特定の条件下でのみ必要となる書類があります。
該当する条件に当てはまる場合は必ず準備しましょう。
道路使用許可
- 公道上空でドローンを飛行させる場合
- 道路上で機材を設置する場合
- 道路を横断する形でドローンを飛行させる場合
申請先
管轄の警察署(道路を管理する警察署)
申請から許可までの期間
通常1週間~2週間程度かかるため、余裕を持って申請してください。
まとめ

ドローン事業者が建設現場に入場する際には、一般的な安全書類とドローン特有の書類の両方を適切に準備することが不可欠です。
安全書類への真摯な取り組みが、信頼関係の構築と継続的な仕事の獲得につながります。
記載ルールを守り、提出期限を厳守し、保存期間についても理解しておくことで、建設現場での円滑な業務遂行が可能になります。
不明な点は必ず元請会社の担当者に確認し、手戻りを防ぎましょう。
※安全書類の内容は、工事内容や現場ルールによって異なります。
ここに記載したもの以外にも、元請や施設管理者の判断で追加の書類提出を求められる場合があります。
監修者紹介

名前:堀 貴博(35)
誕生日:1990/12/13
ドローン歴:5年(ドローン塾 大分校代表)
実績:マンション・集合住宅・大型商業施設・旅館などでの外壁調査の経験あり。
施工写真グランプリを2回受賞。
Youtube登録者数約3000人。
SNS総フォロワー数約5000人。
会社:(有)堀防水工事
創業年:1989年
会社所在地:大分市寒田
事業内容:屋上防水工事・ベランダ工事・外壁補修工事・ドローン点検

名前:川東昌広(39)
趣味:ガンダム・ゴルフ・妻
ドローン歴:1年(ドローン塾 大分校講師)
資格:二等無人航空機操縦士・2級建築施工管理技士・1級防水技能士・ゴンドラ特別教育修了証・高所作業者運転技能修了証
実績:外壁調査・補修工事
→面積累計約500,000㎡
ドローンで旅館などの外壁調査の経験あり。
マンション、集合住宅、公共施設、大型商業施設調査
会社:(株)SK技研
事業内容:外壁リフォーム事業・ドローン事業・プラント事業

ドローン塾が提供する「ドローン外壁診断講習」
数々の現場を経験してきたプロフェッショナルな講師陣が、実務で本当に役立つノウハウを直接伝授します。